
ジョブ・カードとは?従業員のキャリア形成と人材育成への活用方法
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従業員の育成について考えるとき、どのような能力を身につけてほしいか、どのような役割を担ってほしいかという、会社側の視点が中心になりがちです。
もちろん、事業の成長に必要な人材を育てることは重要です。
一方で、従業員一人ひとりにも、これまで積み重ねてきた経験や身につけた能力、今後やってみたい仕事、働くうえで大切にしたいことがあります。
会社が期待することと、従業員自身が考えるこれからのキャリア。その両方を踏まえて人材育成を考えるために、活用できるツールの一つが「ジョブ・カード」です。
今回は、ジョブ・カードの基本的な役割と、企業における活用についてご紹介します。
ジョブ・カードは、厚生労働省が普及を進めている、個人のキャリア形成や職業能力の見える化を支援するためのツールです。
職務経歴や資格、学習・訓練の履歴などを整理するとともに、自分の強みや今後のキャリアプランについて考える際にも活用できます。
個人が就職活動やキャリアの見直しに使うだけでなく、企業が従業員のキャリア形成や人材育成を支援する際にも活用できます。
例えば、従業員がこれまでの仕事を振り返り、自分の得意なことや今後伸ばしたい能力を整理することで、今後の目標や必要な学習について考えるきっかけになります。
また「ジョブ・カード」と名付けられていますが、実際にはクレジットカードのようないわゆるカードではなく、以下のA4サイズのシート3枚のセットを「ジョブ・カード」と称しています。
様式1 キャリア・プランシート
様式2 職務経歴シート
様式3 職業能力証明シート
企業が人材育成に取り組む際には、事業計画や組織の方針に基づいて、従業員に身につけてほしい能力や期待する役割を明確にすることが大切です。
ただし、会社が必要と考える能力を伝えるだけでは、従業員自身が納得して学び、成長していくことにつながらない場合もあります。
従業員がこれまでの経験を振り返り、自分の強みや今後の希望を整理することも重要です。
ジョブ・カードは、こうした振り返りを支えるツールとして活用できます。
例えば、次のような場面が考えられます。
– 若手社員がこれまでの仕事を振り返り、今後の成長目標を考える
– 中堅社員が自分の強みや今後担いたい役割を整理する
– 管理職がこれまでの経験を振り返り、今後のマネジメントについて考える
– ベテラン社員が培ってきた経験や能力を整理し、今後の働き方を考える
こうした機会を設けることで、従業員が自分のキャリアについて考えるとともに、会社側も本人の考えや希望を理解するための手がかりを得られます。
ジョブ・カードは、作成すること自体が目的ではありません。
従業員が自分の経験や能力を振り返り、これからのキャリアについて考えること。そして、その内容を必要に応じて能力開発や人材育成につなげていくことが大切です。
例えば、キャリア面談の前に従業員がジョブ・カードを作成しておけば、これまでの経験や今後の希望を整理したうえで話し合うことができます。
また、研修や能力開発に取り組む前後に振り返りを行うことで、本人が何を学び、今後どのように生かしたいと考えているのかを確認する機会にもなります。
ただし、従業員の希望と会社が期待する役割が、常に一致するとは限りません。
そのような場合も、どちらか一方の考えを優先するのではなく、双方の考えを理解しながら、どのような方向を目指せるのかを話し合うことが重要です。
なお、ジョブ・カードに記載された情報を採用書類として利用する場合、提出は労働者本人の意思によるものであり、企業が本人の意思に反して提出を求めることはできません。利用にあたっては、本人の意思や情報の取り扱いにも配慮する必要があります。
ジョブ・カードを従業員のキャリア支援に活用したいと考えても、具体的にどのように導入すればよいのか、社内の研修や面談とどう組み合わせればよいのか、悩む企業もあるでしょう。
厚生労働省の「キャリア形成・リスキリング推進事業」では、企業・団体向けに、ジョブ・カードの活用やセルフ・キャリアドックの導入など、従業員のキャリア形成を支援する取り組みが用意されています。
セルフ・キャリアドックは、企業の人材育成方針に基づき、キャリア研修やキャリアコンサルティング面談などを組み合わせ、従業員の主体的なキャリア形成を支援する仕組みです。
同事業では、こうした取り組みに関する支援を無料で利用できます。具体的な支援内容や利用条件については、公式サイトをご確認ください。
▼ キャリア形成・リスキリング推進事業(企業・団体向け)
▼ マイジョブ・カード(企業関係者向け)
人材育成は、会社が従業員に必要な能力を身につけてもらうためだけのものではありません。
従業員自身がこれまでの経験を振り返り、自分の強みや今後の希望を整理することも、成長を支える大切な要素です。
会社が期待することと、従業員が望むこと。その両方を理解しながら、これからの仕事や役割について話し合うことが、よりよい人材育成につながるのではないでしょうか。
ジョブ・カードは、そのための対話を始める一つのきっかけになります。
従業員のキャリア形成や人材育成について考える際に、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
ジョブ・カードの活用方法については、弊社でもご案内しています。また企業様向けに、ジョブ・カードを活用した従業員の方のキャリア形成支援もご提案できます。お気軽にお問い合わせください。