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外国人雇用啓発月間から考える人的資本経営とダイバーシティ経営

6月は「外国人雇用啓発月間」です。
この活動は厚生労働省が、適正な外国人雇用に関する積極的な周知・啓発活動として取り組むもので、2026年はスローガンに「ともに働き、ともに支える社会へ 〜回国人雇用はルールを守って適正に〜」が掲げられています。

近年、日本では人手不足が深刻化し、多くの業界で外国人材の活躍が欠かせないものとなっています。外国人雇用というと、「人手不足への対応」という側面が注目されがちですが、本質的にはそれだけではありません。むしろ企業に問われているのは、多様な人材が能力を発揮できる組織をどのようにつくるかということです。

外国人雇用は特別なテーマではなくなった

少子高齢化の進行に伴い、日本の労働力人口は減少を続けています。企業が持続的に成長していくためには、これまで以上に多様な人材の活躍が求められます。外国人材はもちろん、女性、シニア、中途採用者、育児や介護と仕事を両立する人など、働く人の背景はますます多様になっています。
こうした変化の中で、「従来と同じ価値観を持つ人材だけで組織を構成する」という考え方は現実的ではなくなっています。

ダイバーシティだけでは十分ではない

近年、多くの企業で「ダイバーシティ(多様性)」という言葉が使われるようになりました。
しかし、単に多様な人材が在籍しているだけでは十分ではありません。重要なのは「インクルージョン(包摂)」です。
インクルージョンとは、異なる背景を持つ人が組織の一員として認められ、自分の能力や経験を発揮できる状態を指します。
外国人社員がいても意見を言えない環境では、その能力は十分に活かされません。

これは外国人だけの問題ではありません。若手社員や中途採用者、育児中の社員にも同じことが言えます。またこのテーマの本質は、性別や国籍、年代といった表面上の多様性ではなく、志向や価値観などの内面的要素に対する多様性と包摂にあるはずです。

外国人が働きやすい職場は誰にとっても働きやすい

外国人材の受け入れで課題になることとして、

  • ・業務の説明が伝わりにくい
  • ・職場のルールが分かりにくい
  • ・相談しづらい雰囲気がある
  • といった点が挙げられます。しかし、これらは外国人だけが感じる課題でしょうか。

    若手社員が早期離職する職場や、中途採用者が定着しない職場でも、同じような問題が見られます。
    外国人材が安心して働ける環境づくりは、結果としてすべての従業員が働きやすい職場づくりにつながります。

    〜障がい者が働きやすい職場を考えたら、誰もが働きやすい職場になった〜 久遠チェコレートの実例

    一見すると特定の人たちの働きやすさを考えたら、実は誰もが働きやすい職場になったという実例が映画『チョコレートな人々』でも示されています。この映画は東海テレビが制作し、2022年に公開されたドキュメンタリー作品です。

    現在は愛知県豊橋市にある「久遠チョコレート」の代表を務める夏目浩次さんは、学生時代に障がい者の方たちの賃金があまりにも低い現状を知り「理不尽だ、何とかしなければ」と動き出します。障がい者を雇用するパン屋さん、そしてチョコレート屋さんを経営し、そのもがき苦しみながらも奮闘する様子が、19年間にわたって追跡・記録されています。この映画では、次のような一節が出てきます。(視聴した私の記憶なので、多少の表現の違いがあるかもしれません)
    “障がい者が働きやすい職場を考えたら、誰もが働きやすい職場になった”
    今の日本社会にとって、大きな気づきを与えてくれるメッセージだと思います。

    人的資本経営の視点から考える

    弊社コラムで何度か登場している「人的資本経営」、その根幹をまとめた「人材版伊藤レポート」では、人材を「コスト」ではなく「資本」として捉える考え方が示されています。企業の競争力を高めるためには、多様な人材がそれぞれの強みを発揮できる環境を整えることが重要です。

    外国人雇用啓発月間は、外国人雇用の制度や手続きを確認する機会であると同時に、自社の組織風土を見直す機会でもあります。

  • 違いを受け入れることができているか
  • 誰もが意見を言いやすい環境になっているか
  • 多様な人材が活躍できる仕組みがあるか
  • こうした問いに向き合うことが、これからの人的資本経営につながるのではないでしょうか。
    弊社では働く人たちのキャリア形成支援を通じて、ダイバーシティーとインクルージョンを企業文化へと定着していくお手伝いもしております。お気軽にご相談ください。

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