
従業員の不調を個人の問題にしないために、経営者が考えたい職場づくり
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11月は「過労死等防止啓発月間」です。
厚生労働省では、過労死等の防止に向けて、長時間労働の是正や職場のメンタルヘルス対策、相談体制の整備などを推進しています。
従業員が心身ともに健康で働き続けられる職場をつくることは、企業にとって重要な課題です。
しかし、従業員の不調について考えるとき、私たちは本人のストレス耐性や体調管理に目を向ける一方で、職場の環境や仕事の進め方については、十分に振り返っていないことがあるのではないでしょうか。
今回は、従業員の健康を守り、安心して働ける職場をつくるために、経営者が考えたいことを取り上げます。
仕事の忙しさや責任の重さ、人間関係など、働く人にはさまざまなストレスがかかります。
同じ環境で働いていても、ストレスの感じ方や対処の仕方は人によって異なります。そのため、従業員自身が自分の状態に気づき、必要に応じて休息を取ったり、周囲に相談したりすることは大切です。
一方で、従業員の不調を本人の努力や能力だけの問題として捉えてしまうと、職場にある問題を見過ごすことにもなりかねません。
例えば、次のような状況はないでしょうか。
– 特定の従業員に業務が集中している
– 困ったときに周囲に相談しにくい
– 上司とのコミュニケーションが不足している
– 仕事上の役割や責任が曖昧になっている
– 休暇を取りたくても、周囲への遠慮から取得しにくい
こうした状況があれば、本人への働きかけだけでなく、業務の進め方や職場の関係性についても見直す必要があります。
従業員の健康を守るためには、個人への支援と、働く環境の改善を両輪として考えることが大切です。
中小企業では、経営者と従業員の距離が近く、日常的にコミュニケーションを取りやすいことがあります。
しかし、距離が近いからといって、従業員が何でも話せるとは限りません。
経営者に心配をかけたくない。評価に影響するのではないか。忙しい経営者に相談するのは申し訳ない。
従業員がそのように考え、自分の悩みを打ち明けられないことも考えられます。
また、上司との関係や職場の人間関係については、相談相手が当事者に近いほど、話しにくくなる場合もあります。
経営者としては、従業員の様子を気にかけるとともに、普段の職場のコミュニケーションだけでは把握しにくい悩みがあることも理解しておく必要があります。
従業員の不調を早い段階で把握し、適切な支援につなげるためには、相談しやすい環境を整えることが重要です。
そのためには、日頃から上司と部下が話し合える関係をつくることに加え、相談先を複数用意するという方法も考えられます。
例えば、次のような取り組みです。
– 定期的に上司と部下が話し合う機会を設ける
– メンタルヘルスやストレスに関する情報を提供する
– 社内の相談窓口を整備し、その利用方法を周知する
– 社内では相談しにくい悩みを話せる、第三者の相談窓口を設ける
相談窓口を設ける際には、窓口があることを知らせるだけでなく、相談内容の取り扱いや秘密保持、相談後の対応についても明確にすることが大切です。
従業員が「ここなら安心して話せる」と感じられることが、相談への第一歩になります。
従業員の悩みを聴くことは、単に個人の問題を解決するためだけのものではありません。
個々の従業員の話から、職場に共通する課題が見えてくることもあります。
例えば、複数の従業員が仕事の負担について悩んでいる場合、個々の問題として対応するだけでなく、業務量や人員配置、役割分担などを見直す必要があるかもしれません。
ただし、個人の相談内容を、そのまま職場に共有すればよいわけではありません。本人の同意やプライバシーに配慮しながら、必要に応じて組織全体の改善につなげることが求められます。
従業員の声を聴き、個人への支援と組織の改善を結びつけていく。そうした取り組みが、安心して働き続けられる職場づくりにつながります。
11月の過労死等防止啓発月間を機会に、自社の職場環境や相談体制を振り返ってみてはいかがでしょうか。
従業員の心身の健康を守るためには、本人の努力に任せるだけでなく、職場の環境を整え、困ったときに相談できる仕組みをつくることが大切です。
キャリアデザイン・メンタルサポート株式会社では、従業員のキャリア相談やメンタルヘルス支援に加え、社内では相談しにくい悩みを受け止める第三者相談窓口などを通じて、働く人と組織の双方を支援しています。
従業員が安心して働ける職場づくりについて、お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。